鳥取商工会議所観光・交通部会(澤耕司部会長)主催の経営者セミナーが9月5日(木)、鳥取市本町3丁目の鳥取商工会議所ビルで開かれ、経営難に陥った鉄道会社などの再建で注目を集める両備グループ代表兼CEOが「忠恕」(ちゅうじょ)の言葉に込めた独自の経営哲学を披露しました。

 小嶋代表は、岡山市に拠点を持つ両備運輸や両備バスなど現在の両備ホールディングス㈱の代表取締役会長兼CEOを務めるとともに、グループ企業55社の代表兼CEOとして東奔西走しています。グループ企業の中には、ネコの「たまちゃん」を駅長に任命して話題を集めた和歌山電鐡をはじめ、中国バスや井笠バスカンパニーなど、経営難に陥りながらも小嶋代表の経営手腕で再生した企業も含まれています。

 「真心からの思いやり」の意味を持つ「忠恕」を経営方針とする小嶋代表は、「われわれは補助金をもらわなかったから生き残ることができた。103年間一度もリストラしなかったのは忠恕が会社の心をつくり、サービスにつながっているから」と話し、補助金という安易な道を選びがちな経営方法にくぎを刺しました。

 また、「実行しなければ知っていることにはならない」という陽明学の学説「知行合一」(ちこうごういつ)に触れ、「良いと思うことは必ず実行すること。すぐやる、必ずやる、できるまでやるという行動規範によって社員の行動が変わった」と述べるとともに、「公共交通を活性化させるには地域の活性化が必要。そのためにはまちづくりから始めることが重要」として自治体や地域住民に発想の転換と発奮を促しました。

 会場には120人を超える受講者が詰めかけ、実践に基づく小嶋代表の経営理念に耳を傾けていました。

 


会議所への入会

キメ細かい経営指導から融資資金のお世話まで。商工会議所機能をご活用ください。

案内・特典を見る
環境への取り組み 個人情報の取扱について